【本の紹介】『ゆうやけで輝く子どもたち~障がい児の放課後保障と実践のよろこび』

表紙の画像
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「ゆうやけ子どもクラブ」という放課後等デイサービスがあります。約40年前から障がい児の放課後支援に取り組んでいて、代表のユニークな人柄と、子どもへの関わり方が魅力的な団体です。その実践記録が一冊の本として出版されています。読み手が励まされる実践記録なのでご紹介します。

自閉症のきょう子さんの「赤ちゃんパンチ!」

悪い顔の女の子
ゆうやけ子どもクラブに通うきょう子さんは、特別支援学校に通う小学校4年生。自閉症で言葉はあまり話せません。クラブの活動中に友達や職員に噛みついたり、お漏らしをしたりと問題行動を起こします。

特に困ったのは、赤ちゃんを見つけると走って行って叩いて、赤ちゃんが泣く様子を見たがることです。職員はいつでも止められるように、外出では気を張っています。しかし、一瞬のすきをついてきょう子さんは走りだし、赤ちゃんを叩いてしまったことがありました。

怒った顔

恭子さん!赤ちゃん叩いたらダメでしょ!

無理な顔

赤ちゃんパンチ、しません! 赤ちゃんパンチ、しません!

反射的に「しません!」とは言いますが、きょう子さんの赤ちゃんパンチがなくなる気配はありません。さらに、叱る度にお漏らしをしてしまい、職員も「叱るたびに虚しさを感じていた」といいます。

恭子さんを理解しようと試みた記録

はっとするスタッフ
きょう子さんを理解しようと職員間で何度も話し合いをもちました。他者の感情を理解できないきょう子さんにとって、「赤ちゃんパンチ」や「お漏らし」は彼女なりの何かのサインかもしれません。恭子さんと関わった職員が何度も話し合いを重ねて、きょう子さんは「自分の気持ちを収める手がかりを求めて、本人なりに努力しているのではないか」という仮説がたちました。

言葉で気持ちを伝えられない恭子さんは、心が疲れやすく感情を爆発させてしまう時にお漏らしをしてしまうのではないか。人の気持ちがよくわからないけれどわかりたいという気持ちが、”泣く”という反応を求めて”叩く”という行動に向かってしまうのではないか。恭子さんとの関わり方を職員で話し合うなかで、問題行動を起こすきょう子さんへの見方が変わったといいます。

記録を通して見えたこと~問題行動は作られる~

生徒が四人いる教室の様子

この本のまとめでは次のように書かれています。

・子どもとの出会いは、時として、問題行動との出会いだ。
・子どもの問題行動のなかには、その子の屈折した形での発達への願いを汲み取ること。
・それは私達と子どもの出会い直しとも言える。

実践の記録はお子さんとスタッフの”成長の記録”

放課後等デイサービスは最長12年間、お子さんの成長に関わることができる場所です。異なる年齢の集まった多様な集団でもあります。そこでは、親でも教師でもないからこそ見えてくるお子さんの姿があります。それを書き残したものが実践の記録です。本の中ではこうも書かれていました。

私達がすばらしい実践を行ったからA君が変わったのではなく、反省や後悔を繰り返しながらA君との出会い直しをしていく中で、A君が変わっていった

実践記録はこの本の中だけでなく、放課後等デイサービスSTEPでも毎日いろんな出来事がおきます。お子さんとの出会い直しを模索する日々には〈いつもどおり〉という日はありません。実践記録はお子さんとスタッフの「成長の記録」なのかもしれません。とても良い本なので、放課後等デイサービスの現場に活かしていきたいと思ってご紹介しました 。

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