どう変わる?東京都発達障害教育推進計画

東京都の発達障がい教育
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「障がい児育児とは情報戦!」と、自閉症のお子さんを育てるお母様から教わりました。いま、発達障がい児を取り巻く教育が大きく変わろうとしています。「東京都発達障害教育推進計画」によって何がかわるのでしょうか。推進計画の概要をお伝えします。

どう変わる?教育環境

東京都教育委員会が行った実態調査によると、発達障がいと考えられる児童・生徒の在籍は小学校で33661人、全体の6.1%です。中学校では11326人で全体のうち5.0%です。そのうち通級指導学級での指導が必要と考えられる児童が相当数いることが明らかになりました。
この現状に対応するために「東京都発達障害教育推進計画」によって何がかわるのでしょうか。

教育計画が示す今後の取組
小学校における特別支援教室の設置促進
平成28年度以降、準備の整った区市町村から小学校に特別支援教室を順次導入し、全ての小学校での設置を実現します。
中学校における特別支援教室の設置促進
中学校に特別支援教室を導入するに当たり、教科の学習や複雑化する人間関係、将来の進路への不安など、中学校特有の課題について対応する必要があります。このため、中学校における巡回指導体制や生徒一人一人の障害特性に応じた進学指導を含めた相談機能の在り方等について検討を行うモデル事業を平成28年度から実施します。
区市町村における自閉症・情緒障害特別支援学級(固定学級)の設置に向けた支援
通常の学級で指導をうけることが困難な発達障害の児童・生徒に対し、障害の状況に応じた適切な指導を行うため、区市町村が必要に応じて固定学級を設置できるよう方策を検討します。

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在籍している学校から他校の通級指導学級に通わなければいけないので、移動時間中の授業に参加できないことや、通学の負担を親子で感じていました

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今後、すべての公立小学校に特別指導学級が設置されるので、他校にある通級指導学級にお子さんが行くのではなく、お子さんのいる学校に教員が巡回して指導をするということになります

通学

どう変わる?指導内容

指導内容に関わることは、どのように変わるのでしょうか。

教育計画が示す今後の取組
・学習の「つまづき」を把握するアセスメント方法の確立
・通常の学級における個別指導の内容・方法に関する指導資料の作成
・発達障害の児童・生徒用の「東京ベーシック・ドリル」の作成
・ICT機器を使った学習支援システムの事例集の作成
・ユニバーサルデザインの考え方に基づく指導と学級づくりのためのガイドラインの作成
・ソーシャルスキルトレーニングの事例集の作成
・障がいのない児童・生徒を含めた学級全体の指導の充実
・ソーシャルスキルトレーニングの事例集の作成

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教員への意識調査では小学校の54.9%の教員が発達障がい児への対応に困難を感じています。また、発達障がいの児童・生徒がいじめの対象や不登校になっていますが、どのように指導していけばいいのか・・・・。

学習の「つまずき」に対応した指導をする「東京ベーシック・ドリル」を作ります!
小学校の国語・社会・算数・理科における4年生までの基礎的・基本的な学習内容について、児童が確実に身につけることを目的として、平成25年度に東京都が作成したドリルです。都内全公立小学校への配布やHPへ掲載して活用の推進を図っています。
発達障害の児童・生徒に向けては、学習の「つまずき」に対応した指導を計画的かつ効果的に実施するために障害の状況や自らの「つまずき」に応じて教材を選び、繰り返し学習することができる「東京ベーシック・ドリル」を作成します。また、具体的な活用方法を掲載した指導事例集を作成し、発達障害の児童・生徒の学力の向上を図ります。

どう変わる?支援体制

支援の体制はどのように変わるのでしょうか?

教育計画が示す今後の取組
支援員の活用と資質向上のための研修DVD作成
発達障害の児童・生徒に対する、支援員による適切かつ効果的な支援の在り方や、円滑な学級経営への関わり方など、支援員の効果的な活用についての研究と併せて、区市町村が配置する支援員の資質向上のための研修用DVDをすべての公立小・中学校で活用していきます。
医師、心理の専門職、スクールソーシャルワーカー等の外部専門家の活用
児童・生徒一人一人の障害の状況に応じた指導・支援を行うため、次の外部専門家の活用について研究し、各校等にその成果を普及していきます。
特別支援学校のセンター的機能の活用
エリア・ネットワークのセンター校の役割を担う特別支援学校がエリア内の区市町村教育委員会と一層連携し、各教育委員会が行う研修会に、その要請に応じて講師の派遣等を行うとともに、企画段階から参加します。

センター機能の図

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学校の先生にしても、支援員さんにしても「当たり」「外れ」があるのよね・・・。発達障がいのことを理解しようと先生たちも頑張ってくださるけど、先生個人の頑張りではどうにもならない事もあるわけだし。

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これまでは特別支援教育支援員は必要に応じて区市町村の教育委員会が配置しており、その役割や専門性は異なっていました。28年度からは支援員への研修と、支援員の資質向上のための研究用DVDを作成して、すべての公立小中学校で活用していきます。

これからの発達障がい教育

学校教育は区市町村の教育委員会の決定に依るところが大きいですが、それを取りまとめる東京都の教育委員会が発達障がいに特化した教育計画を示したことで、これからの発達障がい教育の方向性を読み取ることができます。

この計画の中には小中学校だけでなく、高校での発達障がい教育の計画が書かれています。ここでは概要の紹介にとどめているので、詳しくは東京都教育委員会のサイトをご確認ください!

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《この記事の参考にさせてもらった資料》
・東京都教育委員会『発達障害教育推進計画』(2016)
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/2016/pr160212b.html
・教育庁都立学校教育部特別支援教育課に電話取材をさせていただきました。ご協力頂きありがとうございました!

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